デジタル版 野生生物目録「東京いきもの台帳」について
東京いきもの台帳とは、東京に生息する野生生物のいわば“住民台帳”のようなものです。いつどこに、どんな生物が生息していたのかを、誰でもが簡単に検索し、デジタルマップ上に表示することが可能なシステムです。
詳しい使い方はこちら
表示されるデータは、市民参加型生物調査による情報等をもとにした「市民科学データ」と、過去の生息記録である「標本・文献データ」や専門家による「観察情報データ」を合わせ、観察時期や位置情報などを結びつけたものです。今後、デジタルの強みを生かし情報を追加することで、台帳を更にアップデートしていきます。

東京都では、「東京いきもの台帳」の実現を目指すためのプロジェクトとして、「東京いきもの調査団」を2023年度に立ち上げました。東京いきもの調査団では、スマートフォンアプリ「Biome(バイオーム)」を活用し、誰でもがいきもの調査に参加することができます。こうした市民参加型調査で得られた情報を活用することで、「東京いきもの台帳」の充実を図っていきます。
「東京いきもの調査団」の活動内容や活動レポートなどはこちらで発信しています。
東京いきもの調査団 公式ウェブサイト:https://ikimono.tokyo/


トンボ目録について
東京都はトンボの記録種数が全国で2番目に多い「トンボ王国」であり、トンボは東京の生物多様性の重要な指標といえます。
東京いきもの台帳の第1弾として、2024年5月にトンボ目の目録を公開しました。この目録には、標本・文献情報や専門家の観察情報に加え、都民のみなさんからの情報も含めた約15,000件(2024年5月時点)の記録が含まれています。
目録の監修と「トンボのコラム」
トンボ目録をとりまとめるにあたり、下記の専門家に監修いただきました。


また、目録公開とあわせて、東京のトンボに関するコラムを執筆いただきました。トンボについての知識が深まり、より一層トンボ目録をお楽しみいただけると思います。ぜひ、ご一読ください。
掲載情報における留意点
■ 確かな生息情報の掲載
トンボ目録には、より確実な記録のみを掲載しています。例えば、文献情報は、改めて原本を確認できた情報について掲載しています。観察情報については、専門家からの情報や、記録として写真等の証拠が残っている情報のみに限定して掲載しています。そのため、東京都レッドデータブック(https://tokyo-rdb.metro.tokyo.lg.jp/index.php)に掲載されている情報や、『東京都のトンボ』(喜多英人 編著・須田真一 監修,いかだ社,2021)に掲載されている情報と異なる可能性があります。
また、市民科学情報の中には、「東京いきもの調査団2023」によりで投稿のあった3,000件以上の情報も活用しています。なお、これらについては全て専門家による種同定(種名が正しいかの確認)を行い、確かな情報のみ抽出し、同定後の種名で掲載しています。
■ 希少種の取り扱い
掲載種の中には、環境省のレッドリストや東京都のレッドデータブックに掲載されている「希少種」も含まれています。希少種については、詳細な確認場所を公開することで乱獲や生息地の破壊などのリスクが懸念されます。そのため、位置情報の公開についても専門家に意見を伺い、希少種保護の観点から一部の種については詳細な確認場所の情報を伏せて公開しています。