東京のセミ相について
その鳴き声などが夏の風物詩にもなっているセミですが、東京都内でみられるセミの中には、植栽などの人間活動に伴い移入しその後分布を広げている種もいれば、開発や環境の変化、侵略的外来種による捕食の影響などで数を減らしている種もいます。
こうしたセミの生息状況を正確に把握していくことを目指し、2025年5月に、東京いきもの台帳に新たにセミの生息記録を加えました。
東京都野生生物目録「セミ科」(セミ目録)
東京都野生生物目録では、過去から現在までに記録された野生生物の種を取りまとめています。
セミ目録では、17種(2025年5月現在)について収録しています。そのうち、3種は偶産的な確認であり、定着は確認できていない種と考えられています。
なお、科、属、種の配列や、学名、和名については、日本昆虫目録第4巻(日本昆虫目録編集委員会編. 2016,櫂歌書房)を参考に、有識者による監修のもと組み立てています。
東京都野生生物目録を見る
セミ科の掲載情報について
東京いきもの台帳には、標本・文献情報に加え、市民科学情報を含めた約5,000件(2025年5月時点)の記録が収録されています。
公開しているセミ目録に収録された情報は、こちらから検索いただけます。

【標本】
標本情報としては、国内外に収蔵されている博物館等に収蔵されている標本の情報等を掲載しています。
【文献】
文献情報としては、CICADA(日本セミの会)等の同好会誌や学術雑誌等を中心に、様々な文献を活用しています。
【市民科学】
市民科学情報としては、「東京いきもの調査団」でみなさんから投稿いただいた3,000件以上、9種(2025年5月時点)のセミの投稿情報も活用しています。これら全ての情報は、専門家による種同定(種名が正しいかの確認)を行っています。
「東京いきもの調査団」では、継続的に調査を実施しています。その活動内容や活動レポートなどはこちらで発信しています。

クエスト(Biomeアプリ内の調査イベント)のヘッダー画像
【情報の精査と留意点】
セミ目録作成においては、確実な記録の収録に努めています。例えば、文献情報は改めて原典にあたることを原則とし、生息記録が記載された資料については再現性のある状態で収集しています。そのため、目録内の情報の一部は、東京都レッドデータブックに掲載されている情報等と異なる場合があります。
その他、掲載に関する留意点は、こちらからご確認いただけます。
掲載に関する留意点はこちら
目録の監修者と「セミのコラム」
セミ目録をとりまとめるにあたり、有識者の方に監修いただきました。

また、セミ目録の公開とあわせて、東京のセミに関するコラムを執筆いただきました。セミの生息状況の変化などについても知識を深めながら、セミ目録をご活用ください。ぜひ、みなさまご一読ください。